情報セキュリティの脅威はすぐそこに

オリンピックを支えたIT

平昌オリンピックが無事に閉会を迎えました。
3月にはまたパラリンピックも始まりますが、細かな醜聞もありはするものの、無事に終わったので一安心というところでしょうか。

あまり意識されないかもしれませんが、オリンピックにおけるIT活用はこの20年で飛躍的な進化を遂げています。もちろんインターネットの一般利用が飛躍的に進んだもこの20年なので、それに同調するように進化しているというのは言うまでもありません。
かつてはラジオやテレビの中継技術が回を追う毎に進化をして、1964年の東京大会で初のカラー中継などが大きなマイルストーンでした。
その前後の時期から競技結果のコンピュータ集計は行われていたようですが、転換点となったのは98年の長野大会と言われています。
この時期(正確には94年リレハンメル大会と96年アトランタ大会もですが)にはIBMがIOCのスポンサーになったこともあり、競技結果のリアルタイム集計がかつてない速度で行われるようになり、当時一般にも普及が始まっていたWebサイト上での速報表示なども行われるようになりました。

その後も様々な進化が進み、2012年のロンドン大会では日本においてもジャパンコンソーシアムによるインターネット配信が行われるようになり、公式Webサイト上での速報表示ももはや当たり前です。今回の平昌オリンピックでも、テレビ中継だけを見ていると気づきにくいですが、フィギュアスケートのような複雑な要素の絡み合う採点競技でも会場内に結果が発表されると同時にWebサイト上に詳細な採点内容が掲載されています。
フィギュアスケートの競技映像で一瞬見切れる審判席をよく見ると、各審判の前にタブレット端末が置かれているのがわかります。おそらくここから入力されたデータが瞬時に集計され、Webサイトに公開されるまでのフローが確立されているものと思われます。他の採点系競技でも同様でしょうし、スピード系の競技の場合はスタート地点とゴール地点に設置されたセンサーと時計が連動するシステムが構築されているでしょう。これらが滞りなく連携して動作し、天候に左右される要素を除いて想定されたタイムスケジュール通りに競技が進行するノウハウは驚くばかりです。

一方で世界的な注目を集めるイベントだけに、サイバー攻撃の標的になるというのも致し方ないところです。
今回の平昌オリンピックに対しても様々な攻撃があったことが明らかになっており、犯人像としてもロシアによるものであるという説や地政学的な問題からも北朝鮮によるものであるという説が挙がっています。また目的としても単なる愉快犯的なものから韓国の信用失墜を狙ったものとする説、果てはドーピング関連の情報の改ざん・隠滅を図ったとする説まであります。
結果として大会運営に致命的な問題が生じるという事態には至っていないようですが、これからパラリンピックも引き続き開催されるということもあり、韓国の組織委員会やIOC・IPCにとっては油断できない日々が続きそうです。
そして何よりも日本が気にしなければならないのは、2020年の東京オリンピックまであと2年半ということでしょう。

近年のオリンピックでは必ず何か起こると言われながらも、意外と粛々と閉会までこぎつけますが、それは関係する人たちの努力があってこそということを忘れないようにしたいものです。