特集

カメラ画像利活用ガイド

▼「カメラ画像利活用ガイドブック」
経済産業省が「カメラ画像利活用ガイドブックver1.0」を策定しました。
http://www.meti.go.jp/press/2016/01/20170131002/20170131002.html

このガイドブックを拝見したところ、なんとも物足りない内容といいますか、何のためのガイドなのか分かりにくいものとなっています。筆者が物足りなさを感じたのは、「個人を特定する目的以外の目的でデータを利活用する事業」を適用対象としている点です。ガイドブックでは下記のケースを対象に含まないこととしています。

  • カメラ画像から抽出した情報に ID を付与し、事業者が別途保有する会員情報等と紐付けることによって個人を特定したサービスに活用するケース
  • 個人が自宅周辺等において、私的に撮影・記録するケース
  • 個人が私的に撮影した画像や動画を、インターネット上で公開・共有するケース
  • IPアドレスを直接入力することでカメラ本体に接続でき、撮影されている映像を誰でも視聴することが可能なケース 等

また、防犯目的で取得されるカメラ画像の取扱いについて対象外とされています。

 

▼防犯カメラの映像が活用されている
一方で、防犯カメラの映像の「活用」がニュースになりました。

「万引犯」モザイク写真公開の「めがねお~」、逮捕受け写真削除 「モザイク外し」期限前 「私刑は意図せず」と釈明 (1/2)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1702/17/news057.html

同様の事件として、2014年に「まんだらけ」で容疑者の顔写真をインターネット上に公開し、警視庁が止めるという事件がありました。最近では、コンビニでも店内に監視カメラで撮影した写真を貼り出したというニュースがありました。

2016年11月の「もっと身近にセキュリティ」で『顔認識技術とセキュリティの塩梅』と題して防犯カメラの映像の取り扱いについて述べましたが、映像を「活用」したいという欲求が各所で実行に移されていることが分かります。

このように、万引き防止を目的とした利用の拡大が目されている状況に鑑みると、先のガイドブックは、行儀の良い人たちだけに行儀の良い作法を教えているように思えてなりません。ガイドブックの次のバージョンに期待したいと思います。

 

▼個人情報保護委員会の見解
また、明るいのか暗いのか分からない、こんなニュースもありました。

「ペッパー」 万引き常習犯を検知へ ロボメーカー各社、法人向け機能の拡充進む
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170215-00010000-nkogyo-ind

万引防止はペッパーのカメラを生かす。自動で来客の顔を常習犯のデータと照合。一致すると管理者に通知する。呼び込みや告知をしながら別の役割も果たすことが特徴となる。健康チェックや自動会員登録なども追加。

店舗における人物の映像の活用に関して、個人情報保護委員会が「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」及び「個人データの漏えい等の事案が発生した場合等の対応について」に関するQ&Aを公開しています。
http://www.ppc.go.jp/files/pdf/kojouhouQA.pdf

防犯カメラにより、防犯目的のみのために撮影する場合、「取得の状況からみて利用目的が明らか」(法第18条第4項第4号)であることから、利用目的の通知・公表は不要と解されますが、防犯カメラが作動中であることを店舗の入口に掲示する等、本人に対して自身の個人情報が取得されていることを認識させるための措置を講ずることが望ましいと考えられます。

本人を判別可能なカメラ画像やそこから得られた顔認証データを取り扱う場合、個人情報の利用目的をできる限り特定し、あらかじめ公表するか、又は個人情報の取得後速やかに本人に通知若しくは公表するとともに、当該利用目的の範囲内でカメラ画像や顔認証データを利用しなければなりません。
なお、防犯目的のみのために取得したカメラ画像やそこから得られた顔認証データについて、他の目的に利用しようとする場合、本人の同意を得る必要があります。

最近はソフトバンクショップ以外でも見かけることが増えた「ペッパー」君ですが、彼の目が防犯カメラとして作動していたとして、その事実は状況から明らかと言えるでしょうか?彼に活躍の幅を広げていただくためには、個人情報保護委員会の見解を踏まえて、各店舗の対応を考え、フランチャイズ事業者においては各店舗の統制を効かせる必要があるようです。