4月、新年度を迎え新たな生活が始まった人も多いことでしょう。
当社グループにも新卒が入社し、まずは研修を頑張っているという状況です。
当社に限らず今どきの企業であれば研修の一環としてセキュリティに関する教育が行われるわけですが、最新のトレンドに対するアップデートが必要であったり、新入社員側の平均的なITリテラシーのレベルが計り難かったり、はたまたジェネレーションギャップのようなものすら感じるなど難しい面があるという点は疑いようのない事実でしょう。

特にここ数年の新卒社員や今どきの大学生は「スマホネイティブ」な世代に差し掛かっており、「ガラパゴス・ケータイ(ガラケー)を使ったことがなく、初めての携帯電話がスマートフォン(スマホ)」「何でもスマホで完結するスキルを持っており、PCを使ったことがない、もしくは苦手な人が多い」と言われることがしばしばあります。
実際には都市伝説や誇張を含んでいるのではないかと思われますし、より上の世代でも様々な得意・不得意や「初めて」が存在するため、どこまで一般化した物言いができるのかは怪しいと感じられます。
一方で2020年から小学校において「プログラミング教育」が必修化されることが賛否の議論も交えて話題になっています。
具体的な内容についてはまだ未知数のところがありますが、「既存の科目の枠組みの中で、プログラミングを扱う」という方向だと言われています。
何らかの言語を直接学んで動かすという類のものではなく、「プログラミング的思考」「物事を論理的に考えていく力」を育むためのものとされており、コンピュータやプログラムでどのようなことができるのかを体験していくということでしょう。
元々中学校の技術科目で一部行われていたり、高校でも2003年から情報の教科が新設された流れがより広がってきたというのが真っ当な見方でしょうか。
この平成の30年間で世の中の情報化やIT化が高度に進んだことを考えると、「新しい常識」として教育を行う必要があるというのは当然の流れではあります。
ただ実際に教育の成果がわかるのは少なくとも数年から十数年先のことになるため、今の段階では方法を巡って手探り状態が続くことは否めないところではあります。
ただ考え方を学ぶという意味では、広い意味でのITリテラシーやセキュリティ意識の底上げは期待できるかとは感じられます。

昨今、様々な状況で発生するセキュリティ事故やSNSでの炎上事案を見ると、「少なくともセキュリティに詳しい人や、それこそ大人から見て、愚かしいと感じるほどの迂闊さ」に起因していることが多くあるため、このような事故を防ぐという観点からの有効性には注目したいところです。
ITの誤った使い方によって人生を棒に振るという話が出てくる今日においては、一定程度の基礎教育の重要性は改めて意識すべきではないでしょうか。
ただし学校教育においてもそうですし、企業などで若手社員に教える側に回る人たちも、年々移り変わる「新しい常識」をアップデートして身に付けていく必要があるのは言うまでもありません。
いかんせん、「正しい常識」が定まっていないものもあるため難しいところではありますが、せめて「常識は常に移り変わる」という意識は持ち続けなければならないでしょう。