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終わる勇気、続ける決断

サイバーエージェントが提供するアメーバピグが今年12月でのサービス終了を発表しました。
表向きの理由とされているのは、2020年末にAdobe Flashのサポートが終了することを踏まえ、別の技術(おそらくHTML5が本命と思われますが)で完全再現することが困難を極めたための苦渋の決断としています。


これに対し穿った見方としては、そもそも事業の採算性の観点からサービスを停止したかったのを技術的な理由を言い訳にしているだけじゃないかという声であったり、移行・リニューアルにも少なくはないコストがかかるのだからそれも含めて「困難を極めた」ということなのではないかなど、様々な憶測が飛び交っています。
実際のところ、それらの憶測はある程度真実で、生産性や収益性の薄い「プラットフォーム移行」にコストをかけるだけの採算性や今後の投資回収見込みが立たなかったというところなのではないかと思われます。

だいぶ前からAdobe Flashのサポート終了はアナウンスされており、Flashベースで構築されている様々なサービスがどうなっていくのかという点は注目を集めていましたが、そこそこ知名度があって公称のユーザ数が1000万を超えていたサービスがこのような決断を下したのは、やや驚きを感じずにはいられません。

実際の問題としてはクロスプラットフォームの開発環境として人気を博していたFlashですが、2010年に故スティーブ・ジョブズ氏がiPhoneでのFlash非対応を表明し、スマホシフトが進む中でその需要が下火になっていったことは事実です。
その時期でも主にPC向けのブラウザゲームなどでは一定の需要がありましたが、2017年にAdobe自身が2020年でのサポート終了を発表すると、急速にHTML5などへの移行が進みました。
DeNAのモバゲーはゲーム配信プラットフォームとしての移行を進めており、変換ツールなどを提供していると言われていますし、DMM GAMESの「艦これ」は昨夏に大規模なメンテナンスを行ってHTML5化を果たし、同じく人気の「刀剣乱舞」もHTML5への移行が表明されています。
Cygamesが開発している「グランブルーファンタジー」は2014年開始ながら、サービス開始当初からnode.jsで実装されていると言われており、少なくともFlashにまつわる問題とは無縁とされています。

いずれも事業環境やユーザ層、そして開発環境の違いなどがあるため一概には言えませんが、
・目的のためにどのような技術を採用するのか
・時間が経った時に何かしらの移行が必要になるのか
・サービス自体を終了せざるを得ないのか
という選択を迫られることはこれからも発生するでしょう。

今回のようなFlashの終了はあまり前例が無いほどの大きなトピックスですが、それ以外でもたびたび致命的な脆弱性が発見されるApache Strutsが採用されることが未だに多いのは何故かというのは不思議ですし、PHP5系のサポートはすでに終了していますが、まだまだ7系への完全移行がされたとは言い難いのではないかと思われます。

セキュリティ上の理由やサポート上の理由などによったりよらなかったりではありますが、ITにおいてどのような技術を採用するのか、そして時として終了を含む重大な選択を迫られることは、今後も重大な経営課題のひとつであるということがもう少し認識されてもいいのではないかと感じます。
それと同時に何だかんだと理由をつけて、無策なまま延命しているサービスが世の中にどの程度あるのかと思うと恐ろしくもあります。