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災害時における情報伝達とコミュニケーション手段

大阪北部地震や西日本豪雨で亡くなられた方にお悔やみ申し上げると共に、被災された方にお見舞い申し上げます。

今も昔も電気・ガス・水道・交通と並んで通信が重要なライフラインであることに変わりはありませんが、特に2011年の東日本大震災以降、「ライフラインとしてのIT」に対する注目は格段に重要度を増したと言えます。
もっと歴史をたどれば関東大震災の時でさえ、混乱やデマに乗じた事件が起きており、「災害時にいかに正しい情報を入手するか」が重要であることは変わっていません。

大阪北部地震の場合では、大都市圏かつ通勤時間帯での発生だったということもあり、即座に被害状況や交通機関の運行状況に関わる情報がSNS上を中心に駆け巡りました。
また、時間の経過と共に自治体や首長のTwitterなどを通じて「公式の情報が即座にアナウンス・注意喚起される」といった有効で正しいSNSの使い方が実践された状況もあったようです。
残念ながら市町村などによってこの辺りの感度にバラツキもあったようですが、熊本地震の時のように変なデマが流れたことに比べれば「公式の情報が流される」ということに対する期待と有用性は実証されたのかもしれません。

一方の西日本豪雨においても同じような情報発信は行われましたが、被害地域が広範囲でかつ地域ごとでバラバラに刻一刻と状況が変化したという特徴もあり、個々の被災者に必要な情報が適切なタイミングで届いたのかというと難しい状況もあったようです。
テレビやラジオのニュースでは報道される地域の偏りなどの問題もあったようですし、各自治体の防災無線や広報車なども雨の影響であまり聞こえなかったという声も上がっています。
個人のSNSなどで発信される情報もまさに「生」の情報ではあるものの、真偽の確認方法や拡散の度合いには難があります。

「誰が情報を収集してアナウンスすべきか」という点は重大な課題ではありますが、自治体だからできること・マスコミだからできること・個人ができることには差がありますし、公式なアナウンスとして流される情報と報道として流される情報では受け手側の感度が変わってくるという状況もあります。
また気象庁や国土交通省などが発信する「科学的や技術的に正しい情報」であったとしても、受け手側の感じ方によって避難のタイミングに差が出たという状況も報道されています。
また喫緊の脅威が迫っている時に流れてくる情報が多すぎると、それらを取捨選択している時間すら惜しく、気がついた時にはもう水が迫ってきていたという事態もあったようです。
ここに正常性バイアスの問題も加わってくるため、いかに「危険を正しく認知させること」が難しいかを改めて考えさせられます。

一旦避難が落ち着き避難所に集まっても、固定回線や携帯電話の基地局が流失してしまい通信状況が不安定な場所がある、災害時統一SSIDのWi-Fiが提供されていても暗号化がされていなかったり偽のアクセスポイントが出現する可能性が指摘されるなど、災害時の通信インフラの復旧に向けての課題もいまだ多いようです。
また災害用伝言板が各携帯電話キャリアなどから提供はされていたり、Facebookなどにも安否を報告する機能があったりもしますが、それぞれの家族や企業などの単位でどのような方法で安否を確認し合い、連絡を取り合うのかという問題は相変わらずの課題として挙がります。

残念ながら毎年何かしらの災害が発生して、似たような課題が浮かび上がり議論がされているようにも感じますが、その度に少しずつでもより良い方法が模索され、被害が少しでも小さくなる未来を祈りたいものです。