特集

個人情報を売って稼げる時代の到来?

三菱UFJ信託銀行が個人情報データを預かり、民間企業に提供する「情報銀行」の業務に乗り出すと報じられて話題になりました。

従来からポイントカードや電子マネー事業者が行動・購買履歴を収集し、他社に提供している話はありますが、往々にしてユーザに対する同意の取得が不十分であったり、そもそもの情報管理のあり方が問われるなど賛否両論の議論を呼びますが、詳しく見ていくと似たような仕組みでありながら一線を画するサービスとして展開されるようです。

今回の事業では三菱UFJ信託銀行が提供するスマートフォンアプリを通じて健康状態や家計収支の情報を収集し、それを必要とする企業からの申請があれば情報を提供する流れのようで、提供の可否は預けた個人が決定でき、対価として金銭やサービスなどを受け取れるという仕組みになるとされています。
実際の情報の収集・登録に関わる手間がどの程度なのか、匿名性などがどの程度担保されるのか、対価としてどの程度の金額が想定されているのかは詳しく発表されていないため不明ですが、少なくとも従来のポイントカードなどでの仕組みに比べると「ユーザ側が提供の可否を選択できる」という点が大きく違うところと言えそうです。

一方で、6月に高校生が開発した「レシートをカメラで撮影してその画像を送信するだけで10円が貰えるスマホアプリ」が登場し、少々の炎上を経て形を変えてサービス再開するという騒動もありました。
こちらも収集したレシート情報をマーケティングなどに利用できるデータとして販売するというビジネスモデルでしたが、精度やシステムの甘さから出直しを余儀なくされたという格好です。

どちらも「第三者への提供を前提に情報を売るビジネスモデル」という点では共通しますし、同時期にこのようなサービスが登場していることから”時代の流れ”とも感じられます。
「預かる」ことに関しては一日の長がある信託銀行のビジネスとして成立していくのか、あるいはベンチャースピリッツのあるサービスとして発展していくのかという点からも注目できます。
また「預けた先」の信頼性がどの程度重視されるのか、情報を買う側からして見ると「データとしての信頼性」がどの程度なのかという点も注目のポイントかもしれません。

いずれにせよ個人情報を保護することやプライバシーを守ることが声高に叫ばれてきましたが、逆に個人情報やプライバシーを積極的・能動的に売っていくことで一般の個人が利益を得ることができるようになるというのは、ちょっとしたが起きつつあると言えそうです。
ただし、ユーザや一般消費者にもメリットがある形で普及・発展していくかどうかはまた別の話かもしれません。